──マスクマンと話をするのって、意外と緊張しますね(笑)。
サク ちなみに、さっきからずっと寄り目にしてます。
──できれば普通にしててください(笑)。それでは今回は、先日のホイス戦を振り返ってみたいんですけど。
サク いいですよ、もう。振り返んなくていいですよ。
──いやいや、軽く振り返りましょうよ(笑)。まず試合が終わった瞬間、なにを考えました?
サク ん〜、やっぱり終わった直後は、「あ〜極められなかったなぁ」っていう。
──そこの部分はいまでもちょっと悔しかったりするんですよね?
サク いま? いまはもうあの試合のことはすっかり忘れてますよ。
──ホントに忘れたんですか?
サク (真顔で)いや、ホントにほぼ忘れてますよ。いまの頭の中は、『仮面ライダー THE FIRST』(※仮面ライダーの特撮映画)でいっぱいですから!
──同時に複数のことは考えられない(笑)。
サク 『仮面ライダー THE FIRST』は観たほうがいいですよ。オススメです。
──はい、絶対観ます。それで、入場でマスクを3枚被ってきましたね。あの企画の意図はなんだったんですか?
サク 意図? いや、なにも考えてないですよ(笑)。あれはブラジルに行ってた時に思いついて、「重ねて被っていったら、おもしれえかなぁ」って。ただそれだけですね。でも、客席に3枚も投げられるからいいよな、っていうのはありましたね。
──ストロングマシンのマスクだったのは、7年前のホイス戦と合わせたわけですよね。
サク そう、相手がホイスだから……それも、ただそれだけ(笑)。
──ところで、入場にBOφWY(ボウイ)のボの字もありませんでしたね……(笑)。
サク いや、あれはもう映像も演出も向こうのスタッフがやってたから無理だったんですよ。それはしょうがないんです。
──まぁ、仮に日本人スタッフだったとしても、実現の可能性は低かった気がしますけど(笑)。
サク でもボウイ熱が冷めたわけじゃないですよ。いまもガンガン聴いてるし。ちょっと『仮面ライダー THE FIRST』のほうに興味が移りつつはありますけど(笑)。
──いまは仮面ライダーが『JUST A HERO』だと(笑)。今回の試合は5分3Rということで、15分っていったら7年前の試合の1R分なんですよね。やっぱり観ていて15分間という時間がものすごく早く感じられたんですけど。
サク 自分もやってて早く感じましたね。「これからなにをやろうかな」って時にラウンドが終了したりとかして。「えぇ〜……」って(笑)。
──最初からわかってたとはいえ、ちょっとあせりましたか。
サク ま、しょうがないですね。はじめからわかっ……いや、最初は5分5Rですよ!
──ホイス側からの要求で3Rに変更になったんですよね。あれって、どのタイミングで変更になったんですか?
サク たしか、試合の一週間くらい前に言われたんですけど、めんどくさいから返事をうやむやにしてたんですよ。
──そこはうやむやにしちゃダメでしょうに(笑)。
サク うやむやにしてて、前日か前々日くらいに確認してみたら「3Rだよ」って言われて、「あぁ、やっぱりそうなのか」と(笑)。
──それと向こう独自のルールとして、顔にワセリンを塗らなきゃいけないっていうのもありましたね。
サク はい。
──そのワセリンが試合中に汗とともに流れ落ちて、アームロックなんかも取りづらかったということですけど。
サク そうですね。でもそれもお互いさまなんで、特になにもないですけどね。
──やっぱり、すっごい滑りました?
サク …………えっ? ……あ、そういう聞き方するぅ……?(笑)。
──あっ! いやいや、いまのはホント、なんの他意もございません!! ボク、そんな策士でもないんで(笑)。
サク 聞き手の発言をカットしないと(笑)。あれ、アメリカだと絶対に塗られるんですよね。
──顔面だけには塗るんですよね。
サク そう。それで「あ、これはUFCっぽい闘い方になっちゃうなぁ」って感じがしましたけどね。
──それは谷川さんも大会後に言ってましたね。「こっちのルールでやると、どんなマッチメイクでも試合はUFCみたいになる」って。殴って離れて、殴って離れてっていう。それとテーピングも禁止ということで、今回は右ヒザにサポーターを着用しましたね。
サク あれ、なんなんですかね? ちょっと意味がわかんなかったです。
──明確な理由がないんですか?
サク 「テーピングはほどけたらなんとかかんとか……」って。でもテーピングって簡単にほどけないじゃないですか。
──ほどけたらテーピングする意味ないですよね。
サク そうですよ。だって、90分やってもほどけないんだから!(笑)。
──その驚異の耐久性に注目してほしかったですね(笑)。
サク 正直、サポーターだけじゃ(右ヒザが)心配ですもん。ヒザに気をつかっちゃうんですよね。
──ちょっとやりづらそうに見えました。猪木-アリ状態の場面なんかでも、思いっきり蹴りにいけなかったような感じがしましたけど。
サク いや、蹴りはそんなでもなかったですけど、グラウンドでごちゃごちゃってなった時にやっぱりヒザに気を取られちゃいましたね。
──ホイス選手はどうでした? 7年振りに肌を合わせてみて。
サク 7年前の事はもう覚えてないけど……なかなか、青い短パンも似合うんじゃないですかね(笑)。いつも白い道衣のイメージしかないから、「短パンもなかなか似合うよ」と。
──ホイスは最初から判定狙いだったんですかね?
サク それは本人に聞かないとボクにはわかんない。でもボクのほうは最初から「極められなかったら、たぶん負けだろうな」とは思ってましたよ。極めて勝たなければ。だから、極められなかったボクが悪いんです。
──それと試合後、リング上でホイス選手やお父さんのエリオさんと軽く会話をしてましたけど、あれはなにを話してたんですか?
サク ボクは「サンキュー、サンキュー」しか言ってませんけど……どうしても聞きたいですか?
──そりゃもう、ぜひ。
サク なんかホイスだかホイラーが「○○○○○○○○」ってニュアンスの事を言ってましたね。
——へっ!? それは桜庭さんに向かってですか?
サク ええ。
──それはどういう意味で言ってるんですか?
サク わかんない(笑)。
──グレイシーの人達ってけっこう、ギャグなんだか本気なんだか判断がつかない事をよく言いますよね(笑)。試合以外で、現地で記憶に残っている事ってなんですか?
サク いや、病院に行った記憶しかないですよ。
──試合前のメディカルチェックですか。
サク だって、結局病院には四日間くらい行ってますからね。心臓のチェックだけでも3回か4回くらいしましたよ。
──うわぁ。でもそれって逆に今回、コンディションには何ら問題がないっていう証明になりましたよね。
サク いや、それは全部日本でもやってることなんで、それは前から証明されてますよ。
──そんなの前から知ってる、と。それで帰国後にメッセージをいただきましたけど、機会があればまたホイス選手と対戦したいですか?
サク まぁ、そういう機会があれば全然いいですよ。お互いもうトシだし(笑)。
──やるんならできるだけ早いうちに(笑)。
サク 早いうちに。だから結果として一回目はボクが勝って、二回目は向こうが勝って。「じゃあ三回目で決着つけましょうか」っていうね。
──そもそも奇数じゃないと決着はつかないですね。
サク そう。「でも、次は3Rじゃなくて、もうちょっとやりましょうよ〜」っていうことで(笑)。
──それでは、今度発売される本の話題に移りましょうか。今度、桜庭さんの書籍第3弾『ぼく…。』が6月23日に発売となりますが。
サク はい。
──一冊目のタイトルが『ぼく。』で、二冊目が『帰ってきたぼく。』でしたけど、今回の『ぼく…。』っていうタイトルにはどういったニュアンスが含まれてるんですか?
サク ニュアンス……それは読んでいただければ(笑)。ちょっと濁した感じが気になりますか?
──なんとなく。これ、本屋で店員さんに「『ぼく』ありますか?」って尋ねたら、「どっちのだよ?」って言われますよ(笑)。
サク ホントはね、タイトルは“セブン”とかね、ウルトラマン路線でいきたかったんですよね。だから『帰ってきたぼく。』だったし。でも「“セブン”はダメ」って言われちゃったんで。
──たしかに『ぼくセブン。』だと、第3弾っぽくないですよ。
サク 「えっ、“セブン”だめ? じゃあ“タロウ”は?」って聞いたら、「“タロウ”もダメ!」って。
──『ぼくタロウ。』じゃ、もはや曙自伝ですよ、それ(笑)。
サク それじゃあ、もうめんどくさいから「じゃあ“…”とでもつけてください」って。
──“…”は、名残の表現でしたか。しかし今回の第3弾、編集サイドは話をどこで切っていいのか判断が難しかったでしょうね。
サク あぁ、はいはい。はじめは去年の大晦日のところで切る予定だったんですよ。それがちょっとごちゃごちゃした感じでアレだったんで、「じゃあ3月の試合で切りましょう」って感じだったんですけど、ホイス戦が決まったからまた延びて、「やっぱり6月に出しましょう」ってなったんですよね。
──こないだのホイス戦の事までが載ってるみたいですね。
サク でもこの調子だと、もしかしたら次の試合のことも載ってるかもしれませんね。
──いや、もう発売日は6月23日に決まってますから(笑)。
サク いやぁ、たぶんそれも延期されるかもしんない。こうなったら、次の試合も入れたいなあ(笑)。
──それと最後にほとんどお約束となってますけど、道場のほうはなにか進展ありますか?
サク あ〜、いま少しずつ話が進んでます。
──あっ、ようやく! いい物件が見つかりましたか。
サク ええ。もしかしたら今度は本当に決まるかもしんない。
──なんか初めての自分の練習場所ができるっていうのは、どんな気持ちなんですか?
サク へ? べつになにもないですよ。
──なんかテンション上がったりしないんですか? 「ここにアレ置いて、あそこはこうしよう〜」みたいな。
サク そんなの、なにもないですよ。
──夜中にひとりで床に寝っころがって「俺はやるぞ〜!」って叫んだりするんじゃないんですか?
サク なんでそんなめんどくさい事やんなきゃいけないんですか(笑)。そんなの、な〜んもないですって。普通ですよ。
──そういうもんですか。『ぼく…。』によると、理想の道場が「シュートボクセみたいな、暇だったら自分の練習がなくても人の練習を見にくるとか、そういういっぱい人が集まるような道場」ってことですけど。
サク そうですね、はい。だから、ミットの練習をするにしても「おまえ、練習するの? じゃあ俺がミット持ってやる」って感じでお互いに持ち合ってやるとか、そういう場所になったらいいかなっていいのがありますけど。
——なんかいいですね、それ。それと「選手を育てるなら、ズルくて強いヤツ」って事ですけど。これはまんま桜庭さんの事ですね。
サク うん、型にハマらない人。
──「バスケのマイケル・ジョーダンみたいな」っていう、具体的な例も挙げてましたけど。
サク あ、それは……ジョーダンです。
──……はい?
サク ああっ! いま、すっごい睨みましたよね!?(笑)。
──睨むわけないじゃないですか!(笑)。まあ今回は、「ジョーダンは冗談です」で締めさせていただきますけど。
サク ヤベえ! しまった(笑)。■
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